2014/07/27

Pride of SEBIRO.

梅雨もいつの間にか終わり、行楽日和が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

刺すような日差しがサラリーマンの体力を奪っていく、スーツなんか脱ぎ捨ててやりたいと日々感じておられることでしょう。恐縮です。






遠山周平氏 「背広のプライド」




私がこの業界に携わってから、ある方からこの本を読みなさいと借りたことがありました。

何よりも、早い段階でこの本に出会っていてよかったことです。一瞬にしてバイブルになりました。
なんでも吸収しやすい状態だった無垢な私に、無駄な雑念(無駄な知識)が取り込まれる前にこの本に出会えたことです。
そしてスーツに関しての指針がこの本により決まったことです。

すべての内容はお伝えしませんが、亀艦書房さんのHPから少しだけ抜粋してみました。↓





「背広のプライド」

この本には、最新のスーツの着こなしノウハウ、といったことはいっさい書かれていません。
というのも服装は、ほんらいあなたのセンスを反映するはずのものなのに、
それが本に書かれたものの反映では、とても生き方なんていえないと思ったからです。 
『背広のプライド』は、男の基本的な服装として21世紀も存在し続けるであろうスーツと、
今後どのように付き合っていくかの心得書のようなものです。
ようなものと書いたのは、心得を押し付けてはいないからです。
いい代えればこの本は、背広の軸を決めるための指針なのです。
そのためのデーターや方向性は示していますが、軸を決めるのはあなた自身。
 筆者は、自身の人生を愉しむための道具として、背広と付き合っていくつもりです。
 
あなたは?


《目次》

第1章 どうして日本人はアイデンティティのある背広の着こなしが出来ないのか
第2章 日本の背広が一生モノの丈夫さを誇示した理由は?
第3章 背広は味けのない、ただの労働服なのだろうか
第4章 なぜ日本の注文背広は戦後急激に衰退したのだろう
第5章 日本人に似合う、日本の背広を考える
第6章 クラシコイタリアはスーツの最終到着点か
第7章 日本にクラシックスーツが根付くとき 



既に廃盤になっておりますので、亀艦書房という出版社から直接購入という方法になります。(amazonだと6,000円もの値段で販売されていました。ご注意下さい)


この本を手に入れた方だけが知るスーツの極意。決して押し付けがましい内容ではなく、あくまでも最後にはあなた自身が選ぶ、というのがこの本の趣旨です。

少し前に出版されたこの本、丁度クラシコ全盛期だったようで、落合正勝氏バリにクラシコ押しです笑 柔らかなスーツが良いスーツと認識されていく2000年初頭のクラシコイタリアの時代背景も非常に勉強になります。

日本と欧州の考え方の違いも非常に分かりやすかったです。
しっかりとした鎧のようなスーツが良しとされ続けてきた日本のオーダースーツ業界から一変、スーツの原点イギリスを差し置いて、イタリアというエッジを効かせたスーツの登場で業界の番狂わせが始まること。手縫いよりもミシンを使った方がよい箇所もあると豪語するサルト職人。シビルクロージング(市民服)から始まったスーツの誕生秘話。







1904 @LONDON



本当にこれからスーツと人生を共に歩んで行く方には読んで頂きたい本ですね。

広く浅く知るよりも、狭く深く知っていくことで人間の価値がより高まりますね。
人付き合いも仕事もしかり。








「HARRISONS ARCHIVE FLANNEL」


近日中入荷致しますが、先行して告知します。
玄人ですら息を飲んでしまいそうな、うっとりする生地が入荷予定です。

ハリソンズからアーカイブシリーズと題して、名だたる著名人が愛したあの柄を忠実に再現し、洋服史に名を残す貴重なデザインが16オンスの伝統的な紡毛フランネルで復刻されました。

恋の為に王位を捨てたことで有名なウィンザー公の専用チェック「プリンス・オブ・ウェールズ」。

アメリカの鉄鋼王にしてカーネギー財団の創始者 アンドリュー・カーネギーの「カーネギー・チェック」。

ウィンストン・チャーチルが愛した「ネイビーチョークストライプ」。



これは作らずにはいられませんね。久しぶりうずきました。


また、入荷次第アップさせて頂きます。




Dukes of windsor



Andrew Carnegie



Winston Churchill














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2014/07/12

【 SUMMER COTTON FAIR 】7/16~8/11

来る来る詐欺で有名な福岡の台風もかなり警戒しておりましたが、やはり拍子抜けしましたね。
午前中の快晴はなんだったのでしょう。 お店から外を見ていると、夕方から予告無しのスコールのような雨が当然のごとく気を抜いていた少年少女の体を濡らしております。

これを乗り切ればあの茹だるような暑い季節が待っていますね。 良いのか悪いのか・・・



【 SUMMER COTTON FAIR 】
7/16(水)〜  8/11(月)
ALL 20% OFF





たっぷりと期間を設けまして、コットン素材のみのセールを行います。
コットン素材であれば国産からインポート生地まで全てが対象となります。

お仕事の関係上、コットンスーツを着ては行けない規則もあるでしょう。

クールビズが世間でまかり通っているこのご時世、しかしコットンスーツがいけないこと自体、既に社会のルールは崩壊しつつあります。

温暖化が進んでいる地球上で、少しでも涼しく生活しやすいものを取り入れることが自分の身を守る術かもしれませんね。

ベルトの厚みですら暑く感じてしまう、そんな時にはこんな仕様も御座います。






ループをハズしてベルトレス仕様に。そして両脇に尾錠を装着する。
腰骨やお腹周りのストレスが無くなり、動きが非常にスムーズになります。
絶対にベルトをしないといけないルールはありませんし、一見モードに感じますが今に始まった仕様でもありません。

1930年代頃はブレイシーズの時代でしたので、トラウザースの基本はループ無しでした。 もちろん、フォーマルなシーン、装いに関しても未だループ無しが基本となります。(タキシード・モーニング等) もっと本格的なものをお求めならば、帯無しの「魁!男塾」仕様でも可です。 

毎回言いますが、着こなしはシンプルにすることで自身の格を上げてくれます。

オプション(カスタム)を付ければカッコ良くなると勘違いしている車好きの方と一緒で、モノによっては車もバイクもノーマルが最高にカッコいいことが多いです。
要は何もしないシンプルなスーツが秀逸さを醸し出ます。 そしてサイジングも同じぐらい重要な項目ですが。 





コットンスーツ。 良くも悪くも着こなしによって味の出るスーツです。
日本ほど四季のある国はありませんね。そんな国に生まれてきたことを誇りに、季節によって素材を愉しむことも重要です。 まず暑い夏にはコットン素材から!


決して無理強いは出来ませんので、TPOに合わせてのご製作をお願いします笑














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〒814-0153
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2014/07/03

Enjoy summer for a different fabrics.


ここ福岡天神界隈ではお祭り男が多い(血の気も多い)ことで有名ですが、梅雨に入ると山笠の季節だなと実感します。
そして祇園山笠期間中は、キュウリを食べてはいけないという風習があります。

その由来は、山笠の祭神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)の神紋が輪切りにしたキュウリの形に似ており、畏れ多いと氏子が食べることを遠慮したそうです。

このきゅうりに対するタブーは小学校の給食献立表にも表れており、7月1日から15日までの山笠期間は献立表に「きゅうり」の文字がありません。

ただ、迷信や言い伝えの一種であるので、近年では食べる事を気にしなかったり、「きゅうりを縦割りにしたら祇園紋じゃないから大丈夫たい!」という舁き手もそうですが、怪我をしたら「キュウリを食べたけんたい」と言われる事もあるそうで・・・














ビジネススーツの定番素材は、未だウールの割合が多く、平織りのトロピカルウールや防シワのポリ混が大半を占めております。

ビジネスシーンであまり良しとはされない夏の装い、コットンやリネンを使ったスーツですね。
では何故昔から夏にはコットンやリネンスーツを着るのか。
ただ涼しそうだから着ていたのではなく、当時の方々の知恵といかに暑い季節を乗り越えるかを追求した結果です。

コットンやリネンはウール素材よりも非常に強く、コットンは吸湿性(物質が水分を吸う性質)があり、熱がこもりにくく、ウールに比べひんやりと火照った体温を下げてくれる働きをします。 もしかすると炎天下にTシャツ1枚で過ごすよりも涼しいのかも?です。当時、コットン3Pやリネン3Pを平然と着ていたのを考えると、恐ろしく粋な装いですね。


リネン素材は、水に濡れる程その強度が増していき、通常の約3倍もの強度になるそうです。 しかも放熱性が良く、吸・放湿性に優れるので非常に涼しく、夏という多汗の季節にはもってこいです。 撚りの段階で一定のサイズになりにくく麻の素材を見て頂くとわかりますが、[ネップ]といって若干凹凸があります。 

ビジネスシーンから忽然と姿を消してしまった異素材たち。

ノーネクタイ・クールビズなんぞくだらないことをして先代の日本人が築き上げてきた "たしなみ" をかき回さないでほしいものです。 安易にお考えの方もいるかもしれませんが、スーツの歴史上普遍的要素はたくさんあります。 



たまに街角でお見かけするご老人で、アイリッシュリネンスーツにボルサリーノのハット、鼈甲のウェリントンの眼鏡に、ぼってりとしたセミブローグのキャップトゥ

こんな装いを見ると私は普段帽子を被っておりませんが毎回脱帽させられますし、ほっこりうっとりと見とれてしまいます。 ご老人の半径1mが大正浪漫にタイムスリップしたようです。


しかし今では、周りと違うことをすれば変な目でみられてしまう時代。

社内で協調性がないと変わった人間と思われてしまう時代。

個性をぶつけた途端、嫌な顔をする上司。

個性はどこへ? 周りと同じでないといけないのか? 

昔の方がもっと個性的で(内面が)フレキシブルだったと。


現在の30代がこうやって違和感を感じて育ち、次世代にはもっと硬派でグレーゾーンのないある意味個性的な集団であってほしいと願います。




















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The Gentleman Shaver (Dir Cut) from Ben Briand on Vimeo.